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コラム
重さを量る

第10回:水田管理
 米作りで重要なのは水管理である。1995年の冷害で米が大打撃を受けた時に、水管理をしっかりとした農家では、相対的に被害が小さかった。とくに稲の穂が出る前の時期に寒い日が続きそうだと、田に多めの水を張る「深水」をする。水が熱を蓄えるからだ。雨が続きそうなら水を抜く。冷害でなくても、こまめな管理をしないと反収は上がらない。

 最近の都市近郊では、米作りの意思があっても宅地化などで難しいという農家がある。都市部の田を売って代替地を買う場合、遠いほうが広い田を買える。100km以上離れている場合もまれではない。中には新幹線で農地に通うという新タイプの農家も生まれつつある。こんな農家でもこまめな水管理ができるような遠隔制御システムが実用化しようとしている。

 田の底の重量計にかかる水圧から水位を出し、水温、気温などのデータとともに都会の農家に送る。それを見て、給排水制御装置に適切な指示を与える。データや指示は、ごく簡単な無線装置や携帯電話で送る。技術的には山奥のダムの水管理で使われているのと同じで、新しいものではない。だが、ダムのシステムは専用のために数百万円から数千万円したが、携帯電話利用なら数十万ですむ。これは通信の規制緩和で可能になったのだ。

1998年(平成10年)1月28日 水曜日 朝日新聞夕刊 掲載

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