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コラム
重さを量る

第12回:組み合わせて
 精度が高い機械はお金も多くかかる。しかし、使う目的によっては、あまり費用がかけられないことがある。その場合には工夫が勝負になる。高級品ではなく、安価なレンズに使うガラスの内部に、気泡がないかを検査するための装置を作ったときがそうだった。

 レンズ作りでは、溶かしたガラスを型に入れて成形し、冷めてから研磨する。気泡がある不良品は研磨の前に排除しなければならない。ガラスが透明なら透かしてみればいい。だが、研磨前は表面が曇っていて内部が見えない。

 そこで思いついたのが、気泡があればそれだけ軽くなっていることだ。気泡がないことが分かっているガラスと、検査したいガラスの重さを比べればよい。理屈は簡単だが、実際はなかなか大変だった。気泡はごくわずかだから、重さの精度は誤差十万分の一以内が必要だ。この程度のものは技術的には簡単だが、製品のレンズに比べて相当高いものになる。

 まず、検査したいガラスと基準にするガラスを、誤差千分の一の安いてんびんに載せる。見た目には釣り合っている。これまた安い誤差一万分の一の重量センサで上皿の位置の微妙な移動量を調べる。つまり、全体をてんびんで量り、その一目盛り内を重量センサで量る、という工夫によって目的を達成できた。

1998年(平成10年)2月4日 水曜日 朝日新聞夕刊 掲載

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