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コラム
重さを量る

第23回:中食産業
 最近は外食産業がふるわず、持ち帰りの弁当やお総菜、サンドイッチやピザの配達などが大きく伸びている。外食と家庭内料理の中間で、いってみれば中食(なかしょく)産業の隆盛である。その理由として見落とせないのが、弁当などの調理法が格段に進歩して、大量生産でもおいしくなったことである。

 料理は生煮えも、煮えすぎも困る。たとえばカレーライス。大きななべを使って、肉をこれぐらい煮た時にニンジンを、それが適度に煮えたらタマネギを入れる、などの手順が決められている。これまでは多分、ニンジンの何分後にタマネギをといったように、時間で管理していたのだろう。しかし、それでは材料の水分や火力のばらつきなどで、うまくない。私たちは調理中のなべごとの重さを量り、それでわかる水分蒸発量から煮えぐあいを推定する方法に取り組んだ。

 重量センサは普通はアルミ製だが、高温の蒸気や塩分にさらされるので、どうしても腐食される。ステンレス製ならいいのだが、こちらはセンサに加工する際の切削熱で物性が変わるなどの問題があった。これを解決してくれたのは米国企業だった。

 「小回りが利いて、かゆい所に手が届く」というのは日本企業についていわれたことだが、今では米国企業にこそふさわしいように思えた出来事だった。

1998年(平成10年)3月4日 水曜日 朝日新聞夕刊 掲載

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