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第28回:モヤシ大量生産
野菜の中でモヤシは大量機械生産の代表例だ。その計量は難しい。一袋250gを標準偏差1g以下で、毎分60袋の高速で詰めなければならない。電子機器が嫌う水が洗浄のために大量に使われるとくる。モヤシは絡まりやすい上、ほぐす時に傷つくとすぐに黒ずんで商品価値がなくなる。装置全体は大生機械という会社が開発し、私たちは一部を受け持った。難題をクリアして装置を完成させるのに三年を要した。
団子のようなからまりをほぐすのには、嫌っていた水が役だった。モヤシを水中に泳がせておいて、スパゲティをすくう道具のように、へらに何本も棒を立てたような形をしたものがついたベルトコンベアですくい取る。棒の長さや間隔を決めるのに試行錯誤を繰り返し、コンベア上にモヤシが一本一本並ぶような感じにまでこぎつけることができたのだ。
つぎは袋詰め。重さを量りながら定量でぴたりと止めねばならない。粉ならシャッターで閉じればよい。だが、シャッターはモヤシをはさんでしまう。コンベアを止めるしかない。だが、急には止まらない。止める瞬間に、人の手のような形をした器具で、コンベアの惰性で流れるモヤシをキャッチすることにした。毎分60袋は計量部を2台にして並列運転することで解決した。
| 1998年(平成10年)3月18日 水曜日 朝日新聞夕刊 掲載 |
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