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1.はじめに

当社は1970年の創立以来、コンピュータのデータ通 信や試験器などのエレクトロニクス機器の開発・製造 ・販売を行ってきており、その中でも特に計量・計測 ・制御技術や重量センサ(ロードセル)アンプの技術 には長い実績に裏打ちされた信頼をいただいている。 近年、自動生産ラインの情報の共有化が一般的になっ てくるとともに、当社の得意としている重量制御技術 にデータ通信技術を組み合わせた新しいタイプの機器 に注目が集まり始めている。本稿では、PLCを中心とし た自動生産機器(FA機器)のラインで重量制御を行う 際の一般的な注意点を記述し、効率よいシステムを構 築するための機器を紹介する。

2.重さを量るとは?

重さを計量し、その信号をPLCやコンピュータで管理 ・制御するような場合には、一般的に電気式の荷重セ ンサ、いわゆるロードセルが使用される。ロードセル
は、金属のたわみ(歪み)量によって電気抵抗の値が 変わる原理を利用しており、第二次世界大戦中に開発 された、歴史の長いセンサである。基本的に金属の歪
み量を検知しているだけなので、重さに限らず、圧力 ・張力・トルクなど、力に関するものであればほとん ど測定できる。力の大きさや用途によって、形や材質
などいろいろな種類のロードセルが開発されており、 目的に応じたものを選択できる。
さて、ロードセルは金属の歪み量によって変化する 電気抵抗の値で重さを量っているのであるから、電気 抵抗の値の差分を計測する装置がなければならない。
これがいわゆるロードセル指示計と呼ばれている機器 である。ロードセル指示計は、ロードセルに対して一 定の値の電圧を印可する。ロードセルになにも重さが
かかっていなければ、ロードセルから返ってくる電圧 は変化しない。これが「重さゼロ」の状態だ。ロード セルが重さを検知すると、電気抵抗の値が変化し、ロ
ードセルから返ってくる電圧が変化する。ロードセル 指示計は、この電圧の変化分を正確に読みとり、あら かじめ登録されている電圧の変化分と重さとの関係式
に基づいて、ロードセルにかかっている重さを表示するのだ。
ロードセルの電圧の変化分は、フルスケール(最大 )でも数十mVオーダーである。この小さな電圧をさら に数万分の一にまで分割して正確に計測するわけであ
るから、ロードセル指示計にはかなりの精度が要求さ れる。しかも、一般的にこのような産業機器が置かれ る環境は電気的に劣悪なことが多く、外気温の変化や
ノイズ、振動など、あらゆる環境にも精度を落とさな い設計が必要となる。
また、セットアップ時の操作性 や重量値の視認性、経年変化による精度の低下など、 単純なカタログスペックだけでは判断できない部分も 重要なファクターになってくる。また、計量した重量値を使っていろいろな制御を行 ったり、合否判定を行うような場合には、ロードセル 指示計自体にどの程度の制御能力が備わっているかが ポイントだ。指示計によっては、簡単な制御であれば ほとんどPLC無しでコントロールできるものもある。指 示計の制御能力はPLCを使うシステムでも検討材料にな る。重量の管理をPLCだけで行うのは、いろいろな意味 で効率が悪いからだ。

3.重量管理のシステム

FA分野の中で、重量の制御というのは最もやっかい なものの一つである。早く正確に重さを量るという作 業には専門のノウハウが必要で、これをPLCだけで制御 しようとすると、ネットワークにかなりの負荷をかけ てしまうことになる。
例えば、ビンの中に液体を充填するときのことを考 えてみよう。液体充填は、短時間で正確な計量を行う ために、大中小の三つのバルブを段階的に締めて行う のが普通である。そこで大中小それぞれのバルブを閉 めるときの重量値を記憶させる。もちろん充填量を表 す定量値や、合否判定を行うための上限下限値なども 記憶させておく。重量値が大中小のそれぞれの値にな ると一つずつバルブを締め、定量値でピタリと止める 仕組みである。閉めたときの値が上限値または下限値 からはずれていたら、不良品としてはじくような機能 も必要だ。
計量の速度を上げていくと、I/OとCPUの間をかなり の頻度で信号が行き来することになり、相当なネット ワークの負荷になることがわかる。システム全体の効 率を考えると、重量管理は専門機器に任せ、PLCは計量 結果や制御情報だけを受け取る方が、全体としてのパ フォーマンスは確実に上がる。

4.最近のFA分野の動向

近年、FA機器における情報の共有化、いわゆるフィ ールドネットワークが盛んである。各社さまざまな製 品や規格でフィールドにおける優位性を競い合ってい る。これらFA分野におけるネットワークは、基本的に はPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の ネットワークに依存し、PLCメーカーが異なるとその互 換性はない。ネットワークのオープン化が着々と進み つつあるとはいえ、世界的に見てこのようなオープン ネットワークには複数の規格が存在し、まだまだコス ト削減の決定打とは言い難い。結局のところ、使用す るPLCネットワークに準じた周辺機器を採用するのが、 もっとも効率がよくコストもかからない場合が多い。
とは言っても、例えば上記の重量制御などには専門 のノウハウがあり、より高速なネットワーク環境が必 要になる。このような場合にはネットワークとネット ワークを結ぶ、「ネットワークブリッジ」という機器 を使用するとよい。

5.SI/FIIネットワーク

重量管理専用のシステムには、ユニパルスの開発し た「SI/FII」ネットワークがある。SI/FIIは重量管理 専用に開発されたネットワークで、非常に高速な通信 環境をツーワイアー(二線)だけで構築できる。二線式のため通信距離も長くとれ、しかもノイズに強いと いう特徴もある。同一ネットワーク上に4台のホストを 含めて計20台までの機器を接続することができるため 、全く種類の違う計量でも同じケーブルを使って通信 させることができ、コストの削減になる。
SI/FIIネットワークには、統計機能を持ったプリン タや表示器もあるので、データの集計はSI/FII側です べて行い、PLCネットワーク側では制御作業に専念するという使い方もできる。また、F800というロードセル
指示計は、各種PLCとシームレスに接続するためのネッ トワークインターフェイスボードを内蔵することができるので、ネットワークブリッジを介さずに直接PLCと
データや制御信号をやりとりすることができる。現在の時点でダイレクトに接続できるPLCは、三菱電機のMELSECNET/MINI、CC-Link(Control
& Communication Link)、オム ロンのSYSBUS、CompoBus/D、富士電気のT-Link、横河電機のFA-M3、ODVAのOpenDeviceNetである。重量管理
に専用のSI/FIIネットワークを使用したときのメリットを列挙する。
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高度なノウハウが必要な重量制御を専用のシステムで行うことでPLCの負荷が大幅に軽減される
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設定値や重量値、制御信号などの送受信が、複雑なタイミングをとることなく行える
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機器間の配線が大幅に簡略化できる
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シーケンス制御プログラムの標準化が行える
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ネットワークシステム全体の開発時間が短縮でき、総合的な保守性やメンテナンス性も向上する
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上記の結果、トータルコストの削減が可能となる
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6.安定したネットワーク

FA分野でも積極的にオープンネットワークが推進されており、将来的にはPCの世界でのインターネット(
EthernetでつないでTCP/IPで話をすればOSに関係なく どんな機器でも接続できます)的な時代が到来すると 思われる。しかしながら現状では、オープンなシステ
ムは技術的には不可能ではないにしろ、相当なノウハ ウが必要とされたり、コスト高を招く要因になりかね ない。適価で安定したシステムを短納期で仕上げるに
は、PLCのネットワークポリシーをきちんと設計し、専 門のシステムがある場合にはそれに処理を任せること がポイントになる。ただし、専門のシステムとPLCネッ
トワークとの間の通信がスムーズにいかないようでは 話にならない。FA機器を扱う企業にとって、PLCネット ワークとの親和性はもはや必須項目となっているので
、導入しようとしているシステムがどんなPLCネットワ ークと接続できるのか、また、接続はどのような形態 になるのか、やりとりできるコマンドはどのようなも
のがあるのか、配線は・・・など、細かい部分まで検 討する必要がある。導入時の仕様の確認次第で、後々 の工程の作業量が決定されるといっても過言ではない 。

7.さいごに

ユニパルス株式会社では、前述のように重量制御用 の各種機器を取りそろえており、それらのネットワー
クがPLCネットワークにシームレスに接続できるように なっている。接続できるPLCネットワークも数多く、ダ イレクトには繋げない場合でもコンバータなどを介し
て接続できるため、実務上不足することはほとんど無 いと思われる。今後もPROFI-BUSなどの新しいネットワ ークに早急に対応し、省力化のための機器を提供して
いきたいと考えている。
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